「他校のオンナノコが うちに来る理由なんて それしかないC〜」



カウント スリー! ツー! ワン! ...ちょっと待ったー!!



オッス!おら!(2回目)
かくかくしかじか、ついさっき会ったこのチャラ男(名を あくたがわじろー と言うらしい)はあたしをテニス部の活動場所まで連れて行ってくれるとのこと。
知らない人に付いて行っちゃ駄目だよ?ってユウちゃんに言われたけど、この場合、仕方ない。
仕方ないよねッ?ねッ?それにもう知らない人じゃないし。大丈夫!

てか あたしは4歳児かー!ひどいユウちゃん!そんなこと言われなくてもわかってる!
...あたしは今年で18歳だ。

あくたがわじろー君によると、氷帝学園(中等部)のテニスは相当アツい(すごい)らしい。
どうしてあたしがテニス部見に来たってわかったのか聞いたら、返ってきた答えがコレだ。
今思えば馬鹿な質問をした気がする。野球部とかは練習試合ないんだったら、ほんとそれしかないじゃん?
あくたがわじろー君は内心、『こいつ馬鹿じゃねぇの?』と思ってるかもしれない。
...彼は、かなり機嫌がよくないようにみえる。眼が座っている。
なんかこわ...怖いなぁ。(金髪だし)(もうチャラ男とか言えない)

「あ!そうそう!オレのことは、ジローでいいからッ なッ」

かと思えば、急にテンション高くなったりする。さっきからこんな調子。
ってちょっと待て。さりげなく呼び捨てにされてるぞ!?...ちょっと強引。
まぁ...名前くらいいいか。細かい事きにしちゃ駄目よね。だから彼氏が(以下省略)

「もうオレ達カレカノだし?」

うんうん、そうだよね、名前くらい...ってハァァァァァ??

「え、あの、じろー君?」
「ん〜?な〜に〜?」

な〜に〜?ジャナイヨ!! カレカノって誰と誰がダヨ!!L(゚皿゚メ)」
これはさすがに否定しとかないと駄目だよね...て何で迷っちゃってるの、あたし!
当たり前じゃ「あ、!」...ってアレ?アレはトモちゃん!?

「トモちゃぁぁぁぁ.... っン!!」

あたしは じろー君の発言を否定する事も忘れて トモちゃんに駆け寄っていく。
Bダッシュ!トモちゃんの隣にはユウちゃんもいる。

「ユウちゃぁぁぁぁ... っン!!」



「おい、アレがユウの言ってた、か?」



そして、 あーン?って語尾につける何だか偉そうに振舞う男もいた。

おめぇは誰だ。

何故 あたしの名前を知っている(しかもフルネーム呼び捨て)(しかもアレ呼ばわり)
何故 ユウちゃんのことを呼び捨てにしている
何故 そんなに偉そうなんだ

そんなこと、いくら成績が良くない(むしろ悪い)あたしでもすぐにわかる。


「中坊――――!!!?」


こいつが、ユウちゃんの彼氏。

「あーン?ここは中等部だ。ここにいる殆どの人間が”中坊”だっての。」
頭弱ぇンじゃねぇの?とか言ってくるこいつが、ユウちゃんの彼氏。

「ちゃうで跡部、今のは1つ、クエスチョンマークがついてたから、きっともっと深い意味やで。」
耳垂れ、はてなマーク、インタロゲーションマークともいうって知っとった?って言うメガネ。



おめぇも誰だ。



::::::




「え、ってゅぅか じろー君もテニス部だったの?」

あたしが今いるのは氷帝学園(何度も言うけど中等部)の無駄に綺麗なテニス部の部室。
正レギュラー用だって。なんじゃそりゃ。中学生ならもっとこう、汗くさい部室で肩身の狭い思いをしながら青春するべきじゃないの?
さすが金持ち学園。うわ、褒めちゃった!

「せやで!なんや、自分そんなことも知らんのかいな?結構有名やで?」
「お前、本当にユウ達と仲いいのか?」

うさんくさいメガネの長髪がトモちゃんの彼氏 おしたりゆうし。
偉そうな俺様泣きボクロがユウちゃんの彼氏 あとべけいご。...多分跡部って書くンだろうなぁ。
なんじゃこいつら。氷帝のテニス部レギュラー知らなかったからって何でそこまで馬鹿にされなきゃなんないの。ってゅぅか敬語使えや!!あたしは年上だぞ!これでも!(これでもって自分で言っちゃう所が悲しい)

「...めずらしいこともあるもんだな」

泣きボクロあとべ君が腕を組んで(ホント何してても偉そうだ!)言う。

「ジローが女に道案内か...これから雨でも降るンじゃねぇの?」

あとべ君は失礼な奴だな、と思った。ごめんね、ユウちゃん。
ユウちゃんの彼氏なのに、ちっとも可愛がれそうにないねん(何か違う)

「本間なァ。何かやったん?お嬢さん。...飴とか?」

何やその程度かいな!
めずらしいとか言うから相当珍しいのかと思ったけど飴あげたら案内普通にしてくれるんじゃん!
...あげてないけどね。飴。じろー君は無償で、しかも自分から親切に道案内してくれるって申し出てくれたよ?超いい子!超いい子!

「ぃゃ、何もあげとらへんよ」
「何や、それ、俺の真似でもしとるつもりかいな?」
「しとるつもりやで♪」
「全然サマになっとらんわ」

おしたり君はノリが関西人なだけあって良いと思う。やるじゃん、トモちゃん!
トモちゃんの彼氏なのに、そんなにノリいいと好きになりマスよ?ぇ
ちょっと軽い感じがした(失礼)(多分いい人)

そして
あたしはじろー君を見た。

さっきからすごく眠たそうな顔をして(でもなんだか必死で起きてようとしてるように見えるんだけど!)
ずっとあたしのそばに立っていた。ホント立ってるだけ。...あ、そういえばお礼言ってなかったなぁ。
じろー君に出会わなかったら、絶対試合までに愛しのトモちゃん・ユウちゃん(+@)に会えなかっただろうなぁ。あ、プラスアルファって勿論俺様とメガネのことです。

とにかく!お礼言わなきゃね!

..... えーと何か忘れてる気がするんだけど、何だっけなぁ?





070426thu